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初めて施術した日。骨折で入院した大切な知人への忘れられない施術。

施術が大好きです。

 
その時持っている手札の中で何をどのように使うか。毎回、知識と知恵をしぼり、経験を踏まえてベストを尽くします。頼れるのは自分だけ。その緊張感と予想が当たった時の達成感。
 
そして、効果を実感されたクライアントさんの顔が明るく輝く瞬間を見るのが好きなのだと思います。
 
そんな私の原点となる初めて人の身体を触らせ時のお話。
 
2014年6月。東日本橋のさとう式のセミナールームで佐藤青児先生からさとう式リンパケア初級講座とMRT基礎講座を受講しました。
 
その一週間後のある日。
 
友人のお母様が階段を踏み外して膝を強打し、大腿骨下部を破裂骨折しました。すぐに入院しましたが、大腿骨をボルトで固定する手術まで数日待つことになりました。骨折した脚は吊るされで保護され、寝返りも打てない体勢で長時間過ごすこととなりました。
 
もともと肩と背中の凝りが強い方でしたので、寝たきりで動かないと、すぐに凝りが痛みに変わります。入院してすぐに、骨折したことろは想像を絶する激痛、それに加えて肩と背中も痛みがでて身体中が痛いという状態になりました。
 
そのお話を友人に聞いた時、すぐに「私、行くね。せめて肩と背中だけでも痛みが減れば楽になるよね。」と答えていました。駆け出しではあるけど、その方のところにすぐ行ける人の中では私が身体ケアについて一番詳しいはず。
 
そして、病室に行きました。
 
お母様の骨折の痛みはかなりの激痛のようでした。そこまでの痛みを抱えた人を見たのはそのときが初めてです。私は一瞬ひるみました。「私のような未熟者がこのお身体を触らせてもらっていいのだろうか?」
 
骨折している部分が微動だにしないように細心の注意を払わなければなりません。最低限の刺激でなるべく辛い箇所が緩められるように、その時の知識を総動員して考えました。その頃は経験も浅くて、頼れるのは自分の知識と知性だけでした。
 
とにかく触れてふわふわ揺らす。仰向けのままで触れる範囲は、お顔、かた、腕、肋骨まで。全てを優しくさすってふわふわと揺らしました。腰から下はノータッチ。振動が下に伝わらないように腰骨をホールドしていました。
 
お母様はその時に3日以上は寝たきりだったと思います。体液循環が滞り、皮膚が蜜柑の皮のように真っ黄色でした。そんな腕が「さーっ、さーっ」と撫でて、優しくふわふわ揺らすと、瞬く間に黄色味がひいて肌の透明感と血色が戻りました。ほんの10数分での出来事です。
 
さとう式リンパケアの速効性と効果の高さを目の当たりにした瞬間です。
 
ほどなくして、お母様がウトウトとされ始めたので私はそのまま病室を後にしました。友人から聞いたところでは、痛みでほとんど眠れていなかったとのことです。少し眠れて良かったです。
 
手術が終わってからも、お見舞いがてら数回ケアさせていただきました。友人が真似をしても私のタッチは再現できなかったみたいで、その頃から「さっちゃんの魔法の手」と呼ばれるようになりました。
 
そんなお話。
 
技術が拙かった駆け出しの頃の私によくぞお身体を預けてくださったと思います。私の自信の核となる貴重な経験をさせていただきました。
 
そして、今、私を選んで施術を受けてくだるクライアントさんにも、大切なお身体を預けてくださることをいつも感謝しています。
 
今日もお読みいただきありがとうございました。